廃屋

「裏世界ピクニック」の評価

悪夢の中のような「裏世界」を探索する二人の女子大生、空魚(ソラオ)と鳥子(トリコ)の物語。

見てもらいたい度:❤️❤️❤️❤️🤍

オススメ・ポイント

コメディー要素もありながらしっかり怖い。 出てくる怪異の怖さだけでなく、人間の狂気、不気味な世界観、自分が正常なのかどうかわからなくなる不安感など、いろんな怖さが盛り込まれています。

私はとても怖くて、7話から夜に見るのやめました。 そしたら8話が猫忍者でずっこけました。


オススメの回

第4話 「時間、空間、おっさん」です。

空魚と鳥子の関係性、恐怖に侵食される日常、正気と狂気の境界の危うさが味わえます。 鳥子の語る「恐怖というチャンネル」の話も興味深かったです。

※ この先、ネタバレあります ※

 

その "違和感" がとても怖い

7話「果ての浜辺のリゾートナイト」は本当に怖かったです。

『試し打ちでもしてみる?』あたりから表世界と裏世界(夢と現実?)の区別がつかなくなってる二人がとても怖い。 どっから取り出したんだそのでかい銃!? 『違和感あったんだよね』って、いやいやその前に感じる違和感山ほどあったでしょ! と、突っ込まずにはいられません。

目の前に迫ってくる敵を撃つことに躊躇してしまう鳥子に対し、ためらうこと無く、冷静に狙いを付けてぶっ放す空魚も怖かった。 射撃は技術よりも精神面が重要なスポーツということをまざまざと見せつけてくれます。(そうじゃない

オープニングアニメで怪異に追われて階段駆け下りる動きはギャグっぽいし、1話で岩塩を使って怪異をやっつけた後、お徳用岩塩を山ほど買ってくるところとか、そんなシーンからはこんな怖さを持ったアニメだとは想像できません。

エンディングテーマ後の打ち上げパートは、自分も表の世界に帰ってこれたとホッとさせてくれるような救いのパートでした。

 

百合要素は何かの含みなのかな?

Blu-ray/DVD の CM に使われてる抱き合う空魚と鳥子とか、9話「サンヌキさんとカラテカさん」での『なっつん♥ あかり♥』とか、これはもう絶対 "百合世界ピクニック"!



あと、鳥子に振り回されながらも惹かれてしまう空魚の気持ち。 その魅力に反抗、対抗したい気持ちもあるんだけど、どうしても惹かれてしまう。 せめて対等の立場に立ちたくても自分には相手を惹きつけられるような魅力もなくて、そのことに劣等感も感じたりして…

鳥子の方は別に何も考えて無くて、あっけらかんと自然体でいるだけなんですけどね。

 

怖いのになぜ裏世界へ行ってしまうのか?

空魚も鳥子も怖いと言いながら裏世界に行くのをやめません。

鳥子は裏世界から帰ってこない冴月を探すという目的があり、空魚の場合は鳥子に惹かれているからというのもありますが、なぜこの二人は怖がりながらも裏世界に行ってしまうんでしょう?

怖いのが快感になってきてる? スリルを感じることで"生きている"実感を得られるから? ホラー映画を見たかったり、お化け屋敷に入りたかったり、ジェットコースターに乗りたいような心理? 依存症?

雑誌「談」No.104 特集:恐怖の報酬…「怖いもの見たさ」の謎を読んでみると、こういう趣旨のことが書かれています。

緊張が高まると、それを抑えようとしてどんどん快楽物質が出てくる。その緊張から解放されたとき、緊張はなくなったのに脳内に快楽物質だけが大量に残った状態になり、人は楽しいという情動を覚える。

ということは、裏世界から帰った後の打ち上げが楽しいから!?


解けない謎の怖さ

怪異も裏世界の法則も、空魚の目にしても鳥子の手にしても、それが何だったのか、何故だったのか、謎はさっぱり解けません。

身近な世界でも、周りは知ってるのに自分だけが知らないルールで回っている世界というものがあると思います。 進学したての高校、初めて入る大学のサークル、就職して初めての土地で仕事に就くとき。 「ここで間違ったら終わる!私の高校生活が終わる!」という緊張、怖さ。

何がなんだかわからないまま、手探りで進んでいくしかない、そんなところが裏世界と通ずるところがあるかなと思いました。

 

裏世界ピクニックの怖いリンク


怖いBlu-rayなど?