写真をアニメ絵の背景画に変換する「Anime Art Painter」を試してみた。
写真からアニメ絵の背景画を自動生成するサービス「Anime Art Painter」を試してみました。
なかなか面白いサービスでしたので、実際に使ってみたレビューと、使い方の解説を書いてみます。
写真アニメ化サービス「Anime Art Painter」の概要
「Anime Art Painter」は、株式会社ラディウス・ファイブが展開する AI事業の一つ cre8tiveAI(クリエイティブAI)が提供するWeb上のサービスです。
写真からアニメ背景を生成するAI『Anime Art Painter』| cre8tiveAI
一枚の写真を4種類のアニメ風の背景に変換します。
- 「筆塗り感」
- 「ディテールを削ったアニメ調」
- 「筆塗り感」の色合い変化バージョン
- 「ディテールを削ったアニメ調」の色合い変化バージョン
説明はこちらのツイートを参考にしました。
おい!ワイのイラストが!プレスリリースに載っとるやんけ!!!!https://t.co/OCE3sbVMh5
— まっくす (@minux302) July 29, 2021
ということで写真をアニメ調に変換するサービス「Anime Art Painter」をリリースしました(自分は変換手法のところを開発しました)。4枚目の様にイラストの背景にも使うこともできます!(ツイート続く) pic.twitter.com/nJiTMw6BKg
実際のアニメ作品の背景作成に利用できるプロ用のサービスを目指しているようで、利用は有料になります。ただし、ウォーターマーク付き画像でのお試しなら無料で使うことができます。
変換は4種類ということですが、私のような素人の目にはサイト上のサンプルの違いがよくわかりませんでした。(ごめんなさい)
その辺り、実際どういうものなのか確かめてみましょう。
Anime Art Painterを使ってみたレビュー
元写真はフリー画像素材サイト「Pixabay」の写真を使用しました。それぞれの元写真は Pixabay の元画像ページへのリンクになっています。
変換後画像は無料版のウォーターマーク付きです。変換後のオリジナルは横幅 1920ピクセルですが、Blog 掲載上 800 ピクセルに縮小しています。ご了承ください。
景色写真をアニメ化
"アニメ風の背景生成"サービスということなので、まずは景色の写真を試してみます。
元写真はこちら。
そして生成したアニメ絵がこちら。
1枚めはいかにも写真のまま、2枚めは色塗りが平坦になった感じ、4枚目はなるほどアニメ絵の感じが出ています。
これで坂道を人が歩いていたり、海を小舟が漂っていたりしたらアニメ絵にしか見えないでしょう。
別写真での例も見てみましょう。
これは4枚目の結果です。とてもらしさが出ていると思います。劇場版なんとかって感じですね。
しかし、なんでもいけるというわけでもなくて、この例(フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)では、特に遠景の山々の写真っぽさが残ってちょっとイマイチな印象です。
近接撮影の写真をアニメ化
近接撮影の物体だとどうでしょう?
これもいい感じです。よく出来た作画だなと思ってしまいます。
奥行きがぼやけた写真のアニメ化
奥行きがぼやけた風景とかもアニメのシーンではよくあると思います。
これは残念!手前のガラスの歪みか汚れが強調されてしまったのでしょうか。
この写真では失敗でしたが、ぼやけた風景だけであればうまく変換されたでしょう。実際のアニメでは手前のタクシー内部やガラス窓は別描きになるでしょうから問題なさそうです。
解像度が低すぎる写真でイジワル
サイトの説明だと「元画像の解像度が低すぎると精度が下がる、640ピクセル以上を目安にすること」とあります。解像度が低いと実際どうなるのか試してみましょう。
いい感じの結果がでていたガーゴイルの写真を使いましょう。元の 1280x570 を、480x214 に解像度を落として試してみます。
変換ができないわけじゃなくて、元が粗いから結果も粗くなっちゃいますよって感じですね。
背景生成用なので、人物画のアニメ化は難しい?
本来は背景生成用のサービスですが、人物画には使えないでしょうか?
なるほど、これは不向きですね。
人物の顔は「Portrait Drawer」という別のサービスを使ってイラスト化できるようです。
写真から似顔絵を生成するAI『Portrait Drawer』| cre8tiveAI
アニメ「スーパーカブ」のシーン再現に挑戦!
2021年春アニメ「スーパーカブ」で小熊を演じた夜道雪さんのこちらのツイート。
改めて #スーパーカブ 見て頂き本当にありがとうございました
— 夜道 雪❄️ (@yomichiyuki) June 25, 2021
私にとって、まさに小熊は自分の高校時代そのもので懐かしい気持ちで声を当てていましたが見ていた皆さんもきっと小熊の青春が身近な物に感じる作品だったと思います!
皆さんのバイク生活で色褪せない彩りを沢山見つけてくださいね🌸 pic.twitter.com/XbVrz2O2As
これは小熊ちゃん家前の景色ですね。この写真をお借りして、Anime Art Painter でアニメのシーンの再現となるか試してみましょう。
なかなかいい感じです。
彩度を落とすともっとそれっぽくなるかな?
お絵描きAIとの連携
手書きの絵を写真にするサービス、例えば「NVIDIA Canvas」を使えば、
「NVIDIA Canvas」→「Anime Art Painter」→アニメ絵
と、自分で描いた架空の風景をアニメ絵の背景として生成することもできそうです。
ベタ塗りがリアルな風景に──NVIDIAがAIイラストツールを無料公開
面白そうなのですが、残念ながら対応機種を持ってないので「NVIDIA Canvas」は試せませんでした。🤦♀️
Anime Art Painterのお値段、使い方の手順
Anime Art Painter の利用料金
Anime Art Painterはプロ向けのサービスで、有料のサービスです。
試すだけなら無料で利用可能ですが、変換後画像にはウォーターマークが入ります。試しに変換してみて、結果が気に入ったら料金を支払ってウォーターマーク無しの画像を入手するという使い方ができます。
利用料金は以下の通り。枚数は変換元画像の枚数です。
- エントリープラン 480円/1枚
- ライトプラン 4,800円/月(20枚分)
- メガプラン 80,000円/月(1,000枚分)
料金について、詳しくはこちらをご覧ください。
Anime Art Painter サブスクリプションプラン
入手できる画像のサイズは 1920px、変換元画像1枚につき4枚の変換画像、形式は PNG になります。
Anime Art Painter の利用開始方法
Anime Art Painter を使うにはアカウント作成が必要です。手順を順番に説明します。
1.アカウント作成を押す
2.メールアドレスとパスワードを入力し、利用規約とプライバシーポリシーに同意して「アカウントの作成」を押す
3.cre8tiveAI からアカウント本登録についてのメールが来るので、その内容に従って本登録する。
4.「はじめる!」を押すと複数のサービスが表示されます。ここで、Anime Art Painter(アニメ背景生成AI)を押す。
5.この段階ではまだログインされてないので、あらためてログイン。
6.ログインするとこのように表示が変わり、画像をドラッグ、あるいは選択することで変換を行うことができます。
7.あとは変換したい画像を選択して「アニメ背景を生成する」を押すだけ。この時点ではまだ課金されることはありません。
Anime Art Painterのレビューまとめ
プロ用のサービスですが、人物画などのイラストを描いてらっしゃる方で、背景だけ欲しいという場合などにも使えると思います。 聖地巡礼して撮った写真でアニメのあのシーンを再現、なんて使い方も楽しそうです。
AI利用とのことですので、今後精度もどんどん向上していくかもしれません。
アニメ制作では1話当たり200枚から300枚の美術背景が必要になるそうで、このサービスによってアニメ業界の仕事が少しでも楽になって、面白いアニメ作品がもっと増えると嬉しいですね。