「まちカドまぞく」の評価と感想
「まちカドまぞく」1期、2期の評価と感想:善良なる一庶民魔族のツンデレ友情アニメ
「まちカドまぞく」の評価
ある日突然魔族として覚醒した少女が、宿敵の魔法少女に果敢に挑みつつ、なぜだかお互いの友情を深め合っていく物語。
見てもらいたい度:😈😈😈😈😈(まんてんまぞく!)
オススメ・ポイント
各キャラクターのセリフまわしのテンポの良さと、言葉のチョイスの天才的な面白さで、開始 30秒ですぐに夢中になってしまいました。
主要キャラの、魔族である優子、魔法少女の桃とミカンは、それぞれ「魔族」「魔法少女」という概念から少しズレてるところがあり、そこが各々の微笑ましい魅力となっています。
特に、優子は魔族でありながら、真面目で、人が良くて、優しくて、律儀で、健気で、憎めない、愛すべき、ポンコツな、実に可愛い魅力的なキャラです。 魔法少女に対しての、あの無理に強気で敵対するような言葉も、相手が「宿敵の魔法少女だからそうすべき」という真面目さから来るものでしょう。
不条理系ナンセンスギャグアニメと思わせて、友情・家庭愛のエピソードで徐々にほのぼの日常系の色を帯び、終盤での怒涛の設定ネタばらしでドラマチックな展開を見せる構成には驚かされました。
セリフがかなり早口で、集中してないとついていけないところがあります。でも、集中して視聴する価値のあるアニメです。
第2期は小気味よいギャグとほのぼのした雰囲気はそのままに、物語の核心に迫るエピソードや、強烈な新キャラが加わり、最終話が第6話と12話で2回ある(?)という、さらに見応えを感じるアニメとなっていました。
新キャラは魅力的なだけでなく、ちゃんとストーリーに活かされ、既存キャラともしっかり絡んでおり、作者の綿密な計算を感じます。
また、カメラやなんとかの杖などの小道具も無駄なく活かされており、様々な伏線もしっかり回収しているところを見ると、ギャグやほのぼのとした雰囲気に騙されちゃいけない、緻密で隙きのない、恐るべきアニメなんじゃないかと思います。
2期では、私の個人的お気に入りキャラ、みかんちゃんの出番が多くて嬉しかったです。みかんちゃんの、誰に依存することもなく独り立ちしている明るさ、優しさが好きです。変身バンクはアレだけど。
みかんちゃんが山行きをパスしたのは、桃がシャミ子と二人っきりになれる時間を作ってあげたかったのかも。😌
— cositayui 💙💛 (@cositayui) June 13, 2022
いや、きっとそう!みかんちゃんはそういう子。変身シーケンスはびっちょびちょの風船太郎だけど、みかんちゃんは優しい良い子!😊💕#まちカドまぞく https://t.co/sSKkSIdnoD
それと、みかんちゃんの、桃とシャミ子が幸せならそれで良いの的な、私は桃の2番めの女でいいの的ムーブが随所に見られたのも高得点でした。
オススメの回
第1期のお薦めは、第5話「町内は罠だらけ?? 崖っぷちまぞくの新たなる能力」です。
優子と桃や妹の良子ちゃんとの会話が、昔のファミリーアニメを観ているかのようなほのぼの感を感じさせてくれます。言葉とはうらはらに桃のことを心配したり、妹を思う優子の心の暖かさにあふれた回でした。
シャミ子の初の変身シーンも見られます。このときの劇伴と効果音が、とても可愛くておすすめです。(変身した優子って、意外とセクシャルバイオレットNo.1 ですね!)
第2期のお薦めは、シャミ子たちの過去が明かされる最終話の6話や、みかんちゃんを救おうと皆が力を合わせて大団円の最終話12話がありますが、ここは敢えて第8話「火花散る!? 光と闇の合同遠足!」を挙げます。
2期の新キャラ、リコ君と店長がフィーチャーされた楽しいエピソードでした。
※以下、ネタバレ含みます。
「まちカドまぞく」への雑多な感想
しかし、アニメに出てくる魔族って、どうしてこうポンコツ属性が付きがちなのでしょう。この辺の系譜からの流れなのかな?
ポンコツでよわよわでありながら、正直でまっすぐで、お天道様にそむくようなことはしない、「良き一庶民」である優子に共感を覚えました。
第9話「期末テスト!! 今日の私は頭脳派まぞく!!」で、ご先祖からカンニングを持ちかけられた際に、「それはやってはいけないことです」ときっぱり断る正直者の側面と、その後「家族の幸せ」と言われた途端、家族愛の強さゆえに心が揺らぐ様が実に人間的で、愛おしく感じてしまいます。
視聴後には、私も真面目にコツコツ、正直に生きていこうと思いました。そして、自分にできることを自分なりにやっていけばそれでいいんだ、という清々しい気持ちになりました。ギャグアニメを観て笑っていたはずなのに、こんな気持ちになるとは!
第11話「夢ドリーム再び!! 桃色防衛線を突破せよ」で、優子一家の過去の秘密や、多魔市における魔法少女と魔族の関係などの設定が一気に明かされる予想外の展開にはゾクゾクしました。
この展開によって、優子に突然角が生えても友人や街の人が華麗にスルーしていたのが、「そのほうがシュールで面白いでしょ」というただの設定じゃなかったことがわかって、それぞれのエピソードの深みが増し、今後の展開への期待が俄然膨らみます。
各パートの最後に「頑張れシャミ子」などと入るナレーション、あれはシャミ子のお父さんなのではないかと思っているのですが、どうなのでしょう? あと、お父さんが、ダンボールに封印されたまま常に家族と共にあるというシチュエーションは…、なんでしょう、きらら読者の深層心理的に何か意味があるんじゃないかと、それが闇なのか光なのか…。気になってます。
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