2023年冬放送アニメの感想やオススメと感じたポイントを、それぞれ簡潔に記しました。

「評価」と記していますが、単なる私の好き嫌いです。当然のことながら、私の評価がその作品の良し悪しにいくらの影響を与えることもありません。私の好みに共感していただけるところがあったら嬉しいです。

目次

 


  

「異世界のんびり農家」の評価と感想:食って働いて風呂入って寝るアニメ


森を開墾していい野菜を沢山作っていたら、甲斐性があると認められて、わんさかお嫁さんがやって来る物語。

「異世界のんびり農家」の評価

見てもらいたい度:🍎🍎🍎➖➖

 

オススメ・ポイント

とんとん拍子によい事が起こる、よい夢に浸るように楽しめるアニメです。

のんびりとノンストレスで、食べて生きることだけを考えて過ごす魅力、そこに良き人たちとのふれあいがプラスされる。楽しく働き、美味しく食べ、お風呂で汗を流してゆっくりと眠るシンプルな生活。そこには刺激は無いけれど、きっと退屈も無いことでしょう。

主人公を転生させた神様は、あまりに強力な万能具を与えてしまったり、転生先を過酷な「死の森」にしちゃったり、かなりドジな神様でした。「そりゃ中にはミスしまくる神様だっているよね」とナチュラルにそう感じたのですが、これってもしかして日本独特の発想であって、唯一絶対万能の神の一神教だと、こういう発想は出てこなかったりするのでしょうか?

ところで、村長死んだ後、この村どうなるんでしょう?万能農具使えなくなっちゃうんですよね?

 

オススメの回

第七話「おもてなしの心」です。

全くそうは見えない主人公の大物っぷりを、殲滅天使や皆殺し天使という物騒な連中と一緒に住んでいながら「のんびり」できてるということで表現する点がユニークです。

この世界での主人公と村の立ち位置がわかってくる回でした。

 

「異世界のんびり農家」の関連リンク

 

 

 

「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」の評価と感想:「ひとりだけ別のゲームしてる」が言い得て妙アニメ


最強の魔物が従える「楓の木」という集団が無法の限りを尽くす物語です。

「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」の評価

見てもらいたい度:🛡️🛡️🛡️➖➖

 

オススメ・ポイント

どんな無茶をしたとしても、ただのゲーム(死んだりしない)だという安心感の中で主人公たちと一緒に冒険をする、そんな楽しさを味わえるアニメです。

楽しいのは楽しいのですが、前半の戦いはやや大味な印象で、主人公たちの戦いに攻防の面白さが足りない感がありました。主人公が「えーい!」と暴れ、周りが「うわぁ〜(引」となる流れはお約束ではあるものの、毎度それだと主人公の非常識な強さがあまり伝わってこないように思います。

また、3話で他プレイヤーと空間を分けるステージが登場し、ゲーム運営側が他プレイヤーに影響を与えずに主人公対策を思い切り行うアイデアかと期待しましたが、実際にはそこまで行かず、若干中途半端な印象でした。個人的には運営側と主人公がガチンコでやり合うエピソードも欲しかったです。

このアニメの面白さについて考えると、下記のような一期で楽しかった要素が二期ではあまり見られなくなり、期待と異なる展開になった気がします。

  • 主人公が防御を固めようとした結果、とんでもなく強くなってしまう様
  • 主人公が強くなっていく過程の非常識さ
  • 仲間キャラの様々な個性
  • 強パーティーとの競争をどう勝ち抜くか

しかし、主人公は既に成長し、パーティーのメンバーも固まっているわけで、同じ路線ではマンネリになってしまったかもしれません。一期がとても良かっただけに期待が高まり、同じような楽しさを求めてしまった私がいけなかったと思います。

後半では他のパーティーとの共闘という新しいシチュエーションが展開され、各メンバーの個性や工夫が発揮され、楽しさが増してきました

全体を通してみると、総じて楽しく、安心して観ることができるアニメでした。最終話では新キャラや次の新しいストーリーを示唆するようなセリフもあり、期待が膨らみます。3期があればまたぜひ観たいと思います。

 

オススメの回

第5話「防御特化と触手。」です。

ストーリーとしての進展はありませんでしたが、モンスターをテイムするためのメンバーの挑戦を描くエピソードです。苦労して、工夫して攻略していく、こういうのを観たかった、と思える回でした。

 

「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」の関連リンク

 

 

 

「英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~」の評価と感想:だっておじいちゃんだからアニメ


中身はおじいちゃんの美少女が、鍛えまくって食べまくって戦いまくる物語。

「英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~」の評価

見てもらいたい度:😋😋😋➖➖

 

オススメ・ポイント

主役の一本ネジが外れた戦闘狂の美少女というキャラだけで十分に観ていられます。

裏切り者の兄のために辛い思いをしながらも、道を踏み外さず健気に生きる可愛い子が物語の主役としては相応しいところ、大食いのバトルジャンキーというイロモノの、本来なら脇役ポジションでも仕方ないキャラを主役に据えてる点が面白く、その戦闘狂っぷりにストーリーが引っ掻き回されるのが痛快でした。

英雄王の転生により意識や考え方はおじいさんのままという設定により、主人公の行動(奇行?)に説得力が与えられている点、周囲が主人公の強さにビックリするよりも、強くなることばかり考えている戦い大好きっ子ぶりにドン引きなところを描いていたことが、好感を持って観続けられた大きな要因だと思います。

しかし、おじいちゃんだからあまり激昂したりすることもなく、興奮しがちなラニを「落ち着いて」とたしなめたりするのはわかりますが、戦いのことになると年甲斐もなく大はしゃぎなのはどうしたことでしょう。

ちっちゃくなった元執政官魔石獣ちゃんが、胸をくすぐる以外に出番が特になかったり、幻の中で襲ってきた昔の臣下はいったい何だったのかなど気になる点はありましたが、最後までブレない主人公キャラに引っ張られて楽しく観ることができました。

オープニングアニメ冒頭で見られるような、ツヤツヤした血色の良い化粧ノリの良さそうなキャラデザが大好きなのですが、本編内でずっとこのキャラデザを継続させるのは難しいのか、時々しか見られなかったのが残念でした。

 

オススメの回

#5「王立騎士アカデミー」です。

ラニの正義感、ラニを見守る主人公の子を想う親のような愛情、レオーネの健気さ、レオーネを支える主人公とラニの優しさに溢れた、温かな回です。

 

「英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~」の関連リンク

 

 

 

「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」の評価と感想:かかあ天下が一番アニメ


軍を解雇された兵士が、美味しそうなお餅に導かれて住み着いた村で、有能さを発揮して村おこしに成功し、見事お餅をゲットする物語。

「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」の評価

見てもらいたい度:🤱🤱🤱➖➖

 

オススメ・ポイント

主人公の地味な有能さ、欲のない利他的行動が見ていて気持ち良いアニメです。

主人公の「魔族と人間の両方を守りたい」という気持ちが、崇高な使命感とかではなく、「誰かが傷つくと自分が辛いから」という自分のエゴからくるものだというのが、主人公を聖人君子的な遠い世界の住人ではなく、身近で現実感のある人物に感じさせてくれます。

魔族と人間族との融和、そういう理想を唱えるだけではダメで、それを実現させられる強さを持っていなければいけない。想いには力が伴わなきゃだめ、力だけでもダメ、正しい心だけでもダメ。主人公のような良き心と強い力の両輪合ってこその「理想」だと学ばせてくれました。

主人公を解雇した理由やクライマックスの戦いの原因がファザコン・コンプレックスだったのはちょっと弱い気もしましたが、主人公の数奇な生い立ちを絡めた親と兄弟の物語として、最後は爽やかな後味の結末になりました。

 

オススメの回

第4話「ダリエル、交渉する。」です。

主人公の、魔族も人間族もどちらも大切という気持ちが表現されるエピソードです。主人公の有能かつ大人な対応が見どころです。

 

「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」の感想

赤ちゃんのころの主人公をさらった、魔王軍四天王ベゼタの思惑とは多分異なる方向だけれど、主人公がちゃんと勇者への切り札となっているのは面白いストーリー運びだと思います。

さらわれた主人公を拾ったグランバーザが、愛情をもって主人公を育てていくわけですが、そもそもこのグランバーザの魔族らしからぬ優しさと誠実さが混乱の原因だったのでは?これがなければ、魔族と人間族は安定して互いに血で血を洗う戦いを続けていたはず(?)。

魔族四天王のドロイエ様は主人公のことを高く評価していて、主人公の復帰を望んでずっと探していたとあったけど、結局最後までストーリーに絡んでこなかったのは何だったのでしょう?

 

「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」の関連リンク

 

 

 

「神達に拾われた男2」の評価と感想:もっとのんびりしたかったアニメ


異世界で第2の人生を始めた主人公が、ホワイト企業のちびっこ社長になる物語です。

「神達に拾われた男2」の評価

見てもらいたい度:🫧🫧➖➖➖

 

オススメ・ポイント

主人公が有能すぎてビジネス・ビジネスした感があり、ほのぼのとした雰囲気が薄れてしまったのが残念です。

1、2話でいきなり殺伐とした事件は起きるし、新しく入ったスライム研究者はガツガツしすぎだし、のんびり・のびのびという感じではありません。

新たな街、新たな人々との出会い、様々なエピソードが多く見られますが、いろいろ詰め込みすぎた感もあります。ひとつひとつの出来事がさらっと流されてるように見えて散漫な印象を受けました。

ストーリーが面白くないわけではないのですが、2期として期待が大きかったのと、1期と比較してしまうと、このような感想になってしまいました。

A、Bパート間に挟まれるアイキャッチでの声優の皆さんのアドリブはとても楽しかったです。

 

オススメの回

EP.03「リョウマと看板娘」です。

2号店出店のワクワク感があり、このアニメらしさが戻ってきたと感じられる回でした。

 

「神達に拾われた男2」の関連リンク

 

 

 

「虚構推理 Season2」の評価と感想:ロリ化け物とイケメン化け物のお悩み相談所アニメ


怪異たちから「おひいさま」と呼ばれて慕われる岩永琴子が、怪異たちから化け物と怖れられる桜川九郎とともに、自身のもとに持ち込まれる怪異たちの相談事を、鋭い推理に捏造を交えて、いい感じに解決していく物語。

『あの岩永琴子は何をやるか信用できない!』には頷かざるを得ない。

「虚構推理 Season2」の評価

見てもらいたい度:👁️👁️👁️👁️➖

 

オススメ・ポイント

おひいさまが語る事件の真相に裏切られる快感、そこまで考えていたのか!というアハ体験が醍醐味です。

主役のおひいさまの丁寧な語りに淀みも迷いも無いのが痛快であり、驚異でもあり、可愛らしい容姿に似合わない冷徹な行動に怖さも感じます。でも、その言動に悪意や意地悪さはなく、確固とした意思のもと終始一貫した公正な態度を見せます。

憎めない、惹かれる、でもどこか恐ろしい、そんなミステリアスな魅力を感じました。第22話「招かれざる判定役」終盤での、「さて、それでは」と言わんばかりの、おひいさまの視線の動きにはゾクゾクさせられます。

一話冒頭で怪異たちにイントロダクションを語らせているのが実に巧いと感じました。主要キャラの説明、アニメの見どころ、あらすじを、くどくなくサラリと、それでいてしっかり要点を押さえて説明しています。

会話劇なのに絵がとても綺麗ですね。主役の二人はもちろん、雪女に代表される毎話のゲストキャラもとても魅力的で、どのエピソードにも引き込まれます。

 

オススメの回

「第14話 雪女のジレンマ」をお薦めします。雪女と雪女に魅入られた男との 3回にわたるエピソードの始まりの回です。

とにかくこの雪女さんが可愛くて、愛おしく、それによってほぐされていく男の心の変化が微笑ましい、虚構推理としては異色の回でした。

 

「虚構推理 Season2」の関連リンク

 

 

 

「最強陰陽師の異世界転生記」の評価と感想:最強の甘ちゃん陰陽師アニメ


前世で酷い目に合わされて性格が歪んだ陰陽師が、転生した世界で陰険に美少女を利用しながら生き抜こうとする物語。

「最強陰陽師の異世界転生記」の評価

見てもらいたい度:👻👻👻➖➖

 

オススメ・ポイント

穏やかで優しく、可愛い顔していながら、内面は計算高く他人を利用しようとする陰湿なやつ…、に成りきれない主人公。

有能な人物を捨て駒にしてやろうと近付くものの、情が移ってしまって自身の身を危険にさらす人間味がとても魅力的です。

カッとなって他国の王子を罵倒したりして、前世の反省が活かせてない、狡猾に生ききれていない、そういうスキがあるところも、主人公の魅力を高めていました。

異世界のモンスターより日本の妖怪のほうが断然強く、それを使役する主人公の強さが推し量れます。戦いは余裕も余裕で、最初から負けるどころか傷一つ負う感じがしません。そこを無理に窮地に陥るような流れを作らず、素直にボロ勝ちさせるところはフラストレーションを感じさせず気持ちいいです。まだまだ主人公の強さの底が見えないところに、次への期待を感じさせてくれます。

勇者や魔王を従来とは異なる設定、視点から描く作品が多いですが、本作の終盤2話で語られる勇者像もなかなか興味深いものでした。

 

オススメの回

#07「兄妹」です。

兄弟の悲劇に触れ、ダークヒーローに成りきれない主人公。自分だけが生き残るために他人を利用する非情な面だけでなく、他人の不幸を捨て置けない情け深さ、同時に主人公の心の弱さが見て取れる回です。

悲劇的なストーリーを、最後笑いで締めるのも後味がよかったです。

 

「最強陰陽師の異世界転生記」の関連リンク

 

 

 

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇」の評価と感想:見事にタイトル回収アニメ


深層に落ちたエルフが、吊橋効果で主人公と恋に落ちる物語です。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇」の評価

見てもらいたい度:🐇🐇🐇🐇➖

 

オススメ・ポイント

ロリ巨乳女神様とイチャコラするアニメのはずが、過酷なダンジョン深層で硬派な冒険を繰り広げるとは、なんたる体たらく!と思っていた私も、この深章後半パートの厄災篇で描かれる思いのこもったドラマとアクションには大満足でした。

凛としたリューさんの心の内、葛藤、苦悩、弱さ、傷、そういった今までに見られなかった面が描かれるのが、今回の一番の見どころです。

作画は素晴らしく、戦いも迫力があって見応え充分です。声優陣も豪華でその演技も素晴らしく、物語に簡単に没入していけました。

 

オススメの回

ドラマのクライマックスは第19話、20話あたりですが、ここでは前半クライマックスの第14話「ダフネ・ラウロス 友」をおすすめします。

この回で描かれる双頭の龍との戦闘シークエンスは絵も構成も一級品です。ストーリーに活気と希望をもたらし、その後の主人公たちの過酷で悲惨な闘いとのコントラストによって、絶望をより強く感じさせます。

 

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇」のネタバレ感想

19話「コロシアム 闘技場」で、リューさんのもとに駆け戻ってくる主人公の姿は、1期でリリ助を助けたときのように、どんなに絶望的な状況でも決して見捨てず、諦めず、見捨てない、主人公の英雄的行動のカタルシスを感じさせてくれました。これぞ「ダンまち」の英雄譚面の醍醐味ですね。

20話「アストレア・ファミリア 散華」で描かれるアストレア・ファミリアの最後とリューさんの過去、その話を聞いた後に主人公が語る言葉が、本作を良作と決定づける、ドラマのクライマックスだったと思います。

 

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇」の関連リンク

 

 

 

「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」の評価と感想:救うようです(救うとは言ってない)アニメ


他人に裏切られた過去をいつまでも引きずって何度も蒸し返した挙句、結局最後まで世界を救わないので、観ているこっちがあやうく人間不信になってしまうようです。

「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」の評価

見てもらいたい度:☂️➖➖➖➖

 

オススメ・ポイント

主人公たちに感情移入できない…。勝手に人間不信になってるだけに見える。

人間不信になった理由がそこまで酷い話に思えず、いまひとつ共感できないため、人生の教え的なエピソードも心に響いてきません。いろいろ伝えたいメッセージが込められていると思うのですが、それを受け取る体制を取れないという感じです。

辛い過去を吹っ切って、ここから心機一転やっていくぞ!という爽やかさが無く、終始暗かったです。秘宝の剣キズナの無邪気さが救いかと思われましたが、この子も段々元気が無くなっていって、最後は空元気になってしまいます。世界を救う前にこの雰囲気をなんとかしてほしい…。

「人間なんて信用できるかー!」で一気に意気投合という短絡的な流れではなく、最初はお互いまだ疑心暗鬼というリアルさがあったり、傷の舐め合いのような安直な描写がないところは良かったと思います。

その他にも、8話でのダメ男の別れ際のギャンブル語りなど光る台詞があったのですが、10話でのオリヴィアを疑うくだりとか、「おかしくないことがおかしいですね」といったもったいぶった台詞など、まどろっこしい要素が多すぎました。

 

オススメの回

#4「絆の迷宮」です。

なるほど!この伝説の剣を手に入れて、その冒険の過程で仲間同士の信頼も深まり、いよいよ世界を救う話が始まるんだな!という、後に裏切られる期待に胸が膨らむ回でした。

 

「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」の関連リンク

 

 

 

「冰剣の魔術師が世界を統べる」の評価と感想:この主人公ならハーレム展開もやむなしアニメ


クソ真面目な主人公が他人のために真心込めてとんちきなことをする物語です。

「冰剣の魔術師が世界を統べる」の評価

見てもらいたい度:💪💪💪➖➖

 

オススメ・ポイント

主人公が若干常識に欠けるところがあるものの、誠実で、他人や物事に対して真摯に向き合う姿に好感が持てます。かなりとんちきな事もしでかしますが、本人にウケ狙いなところが無く、主人公なりの考えと必然性が感じられ、嫌味な感じがありません。

友情や師弟愛、若者の悩みなど、普通に感動的エピソードも描かれますが、とんちきエピソードが愉快で、その方面に魅力を感じました


主人公の強さについて師匠筋や敵方からやたら評価が高いのですが、戦いのさなかでかなり苦戦してたり、戦いの後にぶっ倒れたりで、その強さがあまり伝わって来ず、ちぐはぐな印象を受けます。主人公が最強の「冰剣の魔術師」であるという設定がそれほど重要と思えない点が、少し残念でもったいなく感じました。

最終回の最後に登場した主人公の妹や、「マギクス・ウォー」という初めて聞くイベントの名前、これは第2期を期待してよいのでしょうか?2期があれば絶対に観ます。

 

オススメの回

第6話「世界最強の魔術師である少年は、仮面を装着する」です。

第5話のシリアス・感動路線からとんちき路線に戻った回です。名門出のアメリアの悩みを汲んで手を差し伸べる主人公ですが、差し伸べる方向が斜め方向で、しかし本人は大真面目、真剣に本気でやってるからこその可笑しさがあります。

 

「冰剣の魔術師が世界を統べる」の関連リンク

 

 

 

「便利屋斎藤さん、異世界に行く」の評価と感想:おじいちゃんに全部持ってかれるアニメ


チートも便利屋の仕事と関連知識が活かせるというレベルの、無双じゃない異世界転生もの。 「便利屋」もポイントじゃなく、観るべきはそこじゃなかった物語。

「便利屋斎藤さん、異世界に行く」の評価

見てもらいたい度:🧙‍♂️🧙‍♂️🧙‍♂️🧙‍♂️✖️

 

オススメ・ポイント

斎藤さんが、キャラデザが変わるわけでもないのに、どんどんかっこよく、男前に見えてくるから不思議です。

ストーリーは笑いあり、命がけの真剣さあり、淡い恋心あり、泣ける友情ありで、エピソード毎に心があっちにこっちにと大きく振り回されます

関連の無いショートストーリーで組み立てたオムニバス物と思わせておいて、それを裏切る構成の巧みさに感嘆しきりでした。

斎藤さんのパーティーの仲間は皆良い人、かつそれぞれに憎めない欠点ありで親しみを感じます。おのおのが明るく朗らかに、健気に逞しく、のんきに脳天気に生きる様を見せた後、それぞれに辛い過去や過酷な人生を経てきたことが描かれ、転生前にひどい境遇にあった斎藤さんだけでなく、皆が見た目からは想像できない半生を送ってきたことがわかり、全員の人物像に奥行きを感じました。

 

オススメの回

#05「忍者と魔女」です。

ただし、1話から4話まで順に観た後で、という前提条件付きです。

斎藤さん直接関係ないところの話が秀逸です。「ストイックな一匹狼が軟弱になりました」で終わったと思っていた話からの展開にシビレました。

1、2話時点での印象とは別物のアニメになる驚きの大変身です。

 

「便利屋斎藤さん、異世界に行く」の関連リンク

 

 

 

「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」の評価と感想:原作の宣伝大成功アニメ


文明の利器を異世界でこれみよがしに見せびらかす物語です。

「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」の評価

見てもらいたい度:🪙🪙🪙➖➖

 

オススメ・ポイント

主役キャラが、結構ゲスいことをあっけらかんと明るくやってのけるところが憎めません。

主役のミツハにバイタリティと行動力があり、自分の力でポジティブに状況を切り開いていくところに、見た目の華奢な可愛さとのギャップも相まって好感を感じました。この主役が明るく、逞しく、楽観的で、見ていて気持ちのよいキャラなのが、このアニメ一番の魅力です。声もこのキャラクターにとてもよく合っていると感じます。

正当な対価の価値を可能な限り上げようとしているだけで、払えない相手に法外な対価を求めているわけでもないし、騙して金を巻き上げてるわけでもありません。やらずボッタクリではなく、やることちゃんとやって、ボッタクろうとしてる(おい!)だけです。

その結果として、自分は儲けて満足、商売相手も期待以上の仕事に満足、さらに国は救うし村娘は出世させるしで社会貢献もしており、「三方よし」を実現する商売人の鑑のようです。

その他のキャラクターも裏表がなく、良い人はずっと良い人だし、小悪党はずっと小悪党で、「実はそうだったのか!」という裏切りのない、シンプルな安心感がありました。

お湯を沸かしてるミツハを不思議そうに見つめている傭兵さんたちが、ミツハが振り返った瞬間に全員見てないふりをするという細かい描写があるかと思えば、顔見知りのお客のはずなのにまるで知らない人かのように振る舞うちぐはぐなシーンがあったり、出来がマチマチだったのは惜しいところです。

また、終盤でコレットちゃんはミツハのことを心配してるのに、ミツハはコレットちゃんのことをあまり心配してるように見えない。きっと、コレットちゃんの住む村は累の及ばない安全な場所なのだろうけど、そこの説明が少し足りなくて、ミツハが薄情に見えてしまったのが残念でした。

ハッピーエンドの最終回は、その先の話に期待が膨らむ絶妙な終わり方でした。これは2期制作の期待も高まりますし、待ちきれないから原作で続きを読むという人も多いことでしょう。マーケティングとして大成功ではないでしょうか。

エンディングアニメはミツハの止め絵の連続というシンプルなものですが、絵がとてもスタイリッシュで毎回飽きずに観ていました。エンディング曲の「やっぱりエコノミー」は、世知辛い現実の悲哀をちょっとおちゃらけて歌う、お金離れと言われる現代若者のブルースとでもいうべき佳曲だと思います。


 

オススメの回

#04「雑貨屋ミツハ」です。

異世界で雑貨屋をはじめたミツハの、商売繁盛のためのあの手この手の奮闘ぶりが楽しい回です。初めてのお客に号泣しながらの「いらっしゃいませ〜!」には大爆笑。お客さんを逃すまいとする必死さが可愛いです。

異世界に設備を持ち込んだとはいえ、電気とかお湯シャワーの実現とか結構無茶なのですが、その設定のゆるさが気楽で不思議と気になりません。変な言い訳とか取り繕いが全くないのがよいのかもしれません。

 

「老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます」の関連リンク